2026年3月は、主要AI企業から重要なアップデートが相次いだ。モデルリリース、エンタープライズ展開、そして米国の政策・法的動向まで、注目トピックをリンク付きでまとめる。
モデルリリース
OpenAI — GPT-5.4 Thinking 2026年3月
OpenAIのフラッグシップモデルが更新。コンテキストウィンドウは最大100万トークン、推論・コーディング・エージェントワークフローを大幅強化。ChatGPTには70以上の数学・科学インタラクティブモジュールも追加された。
Anthropic — Claude Sonnet 4.6 / Opus 4.6 + メモリ機能 2026年2〜3月
Sonnet 4.6(2/17)、Opus 4.6(2/5)をリリース。100万トークンコンテキストウィンドウをベータ公開。3月初旬には全ユーザー向けメモリ機能を解放し、会話をまたいでコンテキストや設定を保持できるようになった。
Google DeepMind — Gemini 3.1 Pro 2026年2月
Pro tierの最上位モデル。ARC-AGI-2ベンチマークで77.1%を記録、テキスト・画像・音声・動画・コードのマルチモーダル推論に対応、100万トークンコンテキスト対応。
DeepSeek — V4 2026年3月3日頃
総パラメータ1兆、1トークンあたりのアクティブパラメータは320億というMoE設計で登場。推論コストを大幅に圧縮している。
注目トピック — AlphaEvolve
Google DeepMindのGemini搭載コーディングエージェント「AlphaEvolve」が複雑性理論の新数学構造を発見。さらにGoogle社内インフラに1年以上前から静かに導入されており、世界中のGoogleコンピューティングリソースの0.7%を継続的に回収し続けているという事実が明らかになった。
単なるコード生成ツールではなく、実際のインフラ最適化で動き続けるエージェントの実例。エージェントが「本番で価値を出す」段階に入ったことを示す。
詳しくは専用記事で解説している。
業界動向
Anthropic vs 米国防総省(DOD)訴訟 2026年3月
国防総省がAnthropicを「サプライチェーンリスク」に指定。米国民の大規模監視・自律兵器へのAI使用を拒否したことが背景にある。OpenAI・Google DeepMind社員30名超がアミカスブリーフを提出、Google チーフサイエンティストのJeff Deanも署名。
「Anthropicの締め出しはアメリカのAI産業全体を傷つける」
参照: TechCrunch / Fortune
OpenAI — 年換算収益250億ドル超、IPO準備へ 2026年3月
2026年末IPOに向けた早期準備段階に入っていることが報じられた。ライバルのAnthropicも年換算190億ドルに迫る。
NVIDIA — Agent Toolkit 発表 2026年3月
自律・自己進化型エンタープライズAIエージェント向けのオープンソースプラットフォームを発表。エンタープライズ向けエージェント構築を加速させるOSSモデル・ソフトウェアを提供する。
参照: NVIDIA Newsroom
IBM — Confluent 買収完了 2026年3月17日
Fortune 500の40%が利用するデータストリーミングプラットフォームConfluentの買収を完了。リアルタイムデータをエンタープライズAI・エージェントの基盤に据える戦略を明確にした。
参照: IBM Newsroom
MIT — EnCompass フレームワーク 2026年2月
LLMがミスをした際に自動でバックトラックし、並列で複数の試行ができるフレームワーク「EnCompass」をMITが発表。エージェントの信頼性向上に向けた研究が加速している。
参照: MIT News
政策動向
まとめ
2026年3月は「孤立したモデル改良」から「大規模実装済みエージェントAI」への転換を象徴する1ヶ月だった。AlphaEvolveのGoogle社内導入、ClaudeのメモリAPI解放、NVIDIAのエージェント基盤OSSなど、エージェントが「実際に動いている」事例が相次いで表に出てきた。
来月も引き続きレポートする。